少年野球と私 −日大アメフト部問題と「勝つ」こと−

連日報道されている日大アメフト部の問題。


被害者・加害者となってしまった学生たちはもちろん、

両方のご両親は、どれだけ辛く悔しい思いをしているだろうか……。

スポーツをする息子を持つ親としては、

ご両親の気持ちを想像するだけで、いたたまれない気持ちになります。



スポーツの指導がどうあるべきなのか、

息子が少年野球を始めてから、いろいろと考えさせられています。

スポーツだから勝つことも大事。

苦労を乗り越えて勝つ喜びは、スポーツならではの体験です。

でも勝つこと「だけ」を大事にしてしまうと、今回のようなことが起きてしまう。

すごく難しいなと思いす。

 

以前、息子の少年野球チームのコーチが

「勝ちを目指さない野球なんて意味がない。茶番だ」

と話しているのを耳にしました。


もちろん勝ちを目指すことは大切です。

でも特に少年野球のように、小さい子どものスポーツでは、

結果なんてどうでもいいんじゃないかな、と思うのです。

 

 

 

 

この2つのTweet、すごく響きました。

 

少年野球の試合を見ていると

大人が一番勝ちたがっちゃってんじゃないの?

と突っ込みを入れたくなることがあります。


大人が勝ちたがると、

・エラーや三振をすると、見ている大人が「あ〜」とため息をつく

・ボール球を振ると「なんで振るんだよ!」と言う

・相手ピッチャーがストライク入らないとわかったら、ひたすら「待て」のサインを出す

ということが起こります。

エラーは、ボールを取りに行こうとしなければ起こりません。

三振は、バットを振らなければ起こりません(見逃し三振もありますが)。
でも、打席にただ立つことだって、すごく勇気のいることなのです。

 

自分の頭で考えて起こしたアクションを、大人が「失敗」認定してしまうと

子どもはとてもチャレンジしづらくなります。

勝つことが一番大切でなければ、

子どもの立ち向かう気持ちを何よりも大切にするのであれば、

エラーだって「ナイストライ!」になりますし

三振に対しても

「よく振った!」、「今回は見逃しちゃったけど、次は振ってみよう!」

と言えます。

 

エラーも三振も、全然失敗ではないのです。

 

子どものスポーツって、そうあるべきなんじゃないかと思います。
やってみようという勇気
自分の頭で考える力

を育てられる最高のチャンスを、

大人の一言で潰してはいけないと思うのです。


私も、息子がスポーツを始めたばかりの時は

「勝つ」ために応援していました。

だから、子どもたちの失敗でため息もついたし、

なんならプレーについて息子に文句も言っていました。

 

でも、そんなことをしていたら

息子が全然楽しくなさそうになってしまって……。

失敗したことは、子ども自身が一番よくわかっていて、

一番悔しい思いをしているはず。

そこに大人が何かをたたみ掛けることが、良い結果につながるわけがありません。

 

大人にできることは、

励まし、気持ちを切り替えさせ、

失敗を乗り越える気持ちを持たせること。



私の考え方がそんな風に変わったのは、

長男のチームの監督が、結果をまったく気にしない人だからです。


そんなんで強くなるの?と思っている保護者もいるかもしれません。

でも私は「強くならなくてもいいんじゃない?」とすら思います。
子どもたちは、まだまだ先が長い。
今がピークである必要は、全然ないのです。

どんなに些細なことでも、
やればできる、

挑戦すればいいことがある、

そんな小さな小さな成功体験を、いくつも積み重ねていくことが
子どもがスポーツをやる一番の意義なのではないかと思うのです。